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彫像彫刻「千利休の像」

千利休

仏像は釈迦如来が涅槃に入ってのち仏足石から始まり、仏教美術がインドのガンダーラ西域を経て中国、日本へと入ってきて様々な仏像に変化して作られるようになりました。もともとお釈迦さまも実在の人物でありますが、真理に目覚めた姿として作られるようになり、日本では平安鎌倉期に活躍した仏師により現在の仏像彫刻の形となり、現在の仏師はそれを継承しております。

彫像彫刻は近年の実在の人物を資料を基に作らせていただいております。

「千利休の彫像」千利休は戦国時代~安土桃山時代にかけて茶人として侘茶の完成者として知られております。戦国武将織田信長、豊臣秀吉に茶の湯を指南し、秀吉の命によって非業の死を遂げましたが、その志は茶道として、現在まで受け継がれています。そのような人物の一面を切り取り彫像として彫らせていただきました。

茶道は、一つ一つの所作が型として受け継がれておりますが、思いますに日本人の美意識がなせることだと私は理解しています。研ぎ澄まされた空間にて畳を歩く音、茶釜から出る湯気、袱紗の扱いもまた決められ茶筅の音、その間自然の音に耳を澄まし、美しいお点前を見ながら、おいしい洗練されたお菓子をいただき一服の目に鮮やかな新緑色のお茶をいただく。床の間には、主人の気を込めた掛け軸と花が添えられ、緊張の場を少しほぐしていただきます。

そんなことを思いながら、桧の木を彫刻刀で仕上げていきました。手元の袱紗が少し心もとないので、今一度修正したいと思います。

千利休の像 ヒノキ材高さ(26㎝)

「役の行者の像」