眼力の迫力がすごい「龍王」は、今まで見たことのない仏像で龍の台座に半跏スタイルで座してしっかり正面を見据えておられます。髪はパンク風に逆立ち右手には宝珠を持っておられます。
年代は不明ですが、傷み具合からして相当古いと思われます。素の剥離している所をきれいにはがして、割れなどは埋め木をしている所です。
『仏像の修理の考え方』
◎作られた当時のイメージで彩色も金箔はきれいに張り直し、彩色はその当時の美しい色を再現する修理の仕方
◎古い侘びた古色のままで、ひび割れた所や剥離のひどい所を修理する仕方
どちらも施主様の意向を伺いながらさせていただきます。
この龍王は、古びた古色のままで修理をさせていただきます。剥がれるところはすべて剥がして(古い漆はできるだけ剥がします。)木の割れや傷んでいる所を埋め木をしてから、胡粉でした地を塗って、漆そして古色仕上げにします。